楽天でレザーインクを購入しヴェスパに塗ってみようとチャレンジしてみた
エルメスのショルダーバッグ、ヴェスパの端がすれて白くなってきたので自分で直してみたいと楽天で皮革製品補修カラーを探しました。
すぐ目についたのは、クリームタイプのサフィールやモウブレイです。
特にサフィールはエルメスからの要望でエルメスレッドを作ったことで有名なフランスの老舗会社です。
サフィールのクリームタイプ、モウブレイのマニキュアタイプも簡単そうでいいなと思ったのですが、できるだけ本格的にやってみたい、摩擦で取れにくい染料がいいなという気持ちもあったので今回は液体のこちらを使ってみました。
革用顔料 レザーインク 皮革製品補修専用カラー ワイズプラント社
レザーインクをエルメスのヴェスパに塗っていく
最初に道具の用意です。レザーインク、絵筆と料理用シリコンカップを用意。水も使います。ステッチを避けて塗らなくてはいけない端の部分なので、絵筆は細筆を使いましたが広い面積部分はハケのような形状のものが良さそうです。塗らない部分を保護するのにマスキングテープが必要なのですが、今回は使いませんでした。
私のエルメスのヴェスパはブラウンです。若干ベージュ系も混じっているような雰囲気があったので、ブラウン(商品名:チャ)とキャメルを選びました。
シリコンカップに1cmくらいのブラウン、水はカップの底がややひたるくらい。
混ぜてみると絵の具のようです。
このままの色でも良いかなと思ったのですが、なんとなくキャメルを入れたいなと1cmより少なめに入れて、混ぜました。
綺麗に混ぜて完成したものを、ヴェスパの端に塗っていきます。最初、薄い状態の染料を塗るので色の違いが分かりやすく見えていますが気にせず塗っていきます。
1回塗って薄ければ、上から塗り重ねて様子を見ながら仕上げていきます。あまりにも元の色と違う時は再度、色の調整をします。できれば革見本や革の切れ端などあればそれに塗ってみて色を試すと失敗が少ないと思います。
今回は本当にその場で一気に塗ったので、周りのものに色がうつらないような準備など全然せず、いきなりバッグを手に持って塗っていきましたが、元々私は色を塗るのが得意なので意外に簡単に塗れました。
そして完成したヴェスパです。我ながら綺麗にできたと満足しています。
色の違いもほとんど分かりません。塗る前と塗った後の状態です。
ヴェスパの端の部分を塗って乾かした後、革用クリームを塗りました。
このヴェスパはエルメス直営店にリペアで持っていくことはしないと決めていたので今回実験できました。※ご自分で直した商品を直営店で修理依頼する場合は断られることがあるかもしれないので注意が必要です。
レザーインクを塗るときのコツやポイントは3つ
1.インクは水で薄めること
1回目はうっすらと色がつく程度です。1回を塗ってみて薄いようなら塗り重ねます。そんな感じで微調整しながら塗っていきます。
私の場合は最初に作った色が途中でもう少しブラウンよりがいいかなと思ったので、ブラウンを少量追加しました。
乾くのもそんなに時間はかかりませんでした。
普通は一日時間を置いてから革専用のクリームを塗ると思うんですけど、手で確認すると乾いていたので自己判断で革用のクリームを塗りました。
2.塗った直後は若干艶がなくなる
塗ってみて思いましたが、塗ったあと乾いた状態の表面の感触は少し乾燥気味のような、またはアクリル絵の具を塗ったような雰囲気になるので厚塗りは注意したほうが良いかもしれません。
今回はヴォーエプソン素材ですが、元々艶がそれほどない素材なのでレザーインクとの相性はよかったようです。
塗った後に革用保湿クリームを塗って数日後の状態です。艶が少し出てなじんでるので良かったです。
3.元の色には再現できない
今回私はブラウンとキャメルを混ぜましたが、色選びがうまくいったのでほぼ同じ色になりよかったです。
エルメスのエトゥープなどは混色するのが難しい色なので再現も難易度が高いかもしれません。
珍しい色は修理専門店かエルメス直営店にお任せして補修してもらうのが良いと思います。
あと色を塗った後にトップ層の形成もすることもあるそうなので、こだわりのある革製品の補修は修理専門店が良いと思います。
セルフ補修を考えてバッグを買うならやはり黒、白、茶、紺あたりが無難かもしれませんが、自分でお試しになる場合は思わぬ結果になることもあり責任を負いかねますので、ご自身の判断で慎重にお願いいたします。
自分でも綺麗に塗って直せたので、黒、白を追加で買おうかなと思ってます。
6ヶ月後に塗った部分を確認してみましたが状態も問題なく、塗ったところもわからないので満足しています。
一年後に、自分が塗ったヴェスパを中古ブランド品買取ショップに持ち込んで査定してもらいました。
自分で塗り直したヴェスパを普段使いしていますが、色のすれていく雰囲気も自然です。このワイズプラント社のインクで良かったと思いました。