乳がん触診モデル
30代の頃、息子を産んだ後に受けた自治体の乳がん検診のことを思い出しました。その乳がん検診は集団検診だったのですが、会場に乳がん触診モデルが置いてありました。
検診を受けにきた方は皆さわっては、「へえ〜こんな感じなんやね」とか言っていました。
乳がん触診モデルとは、シリコン素材で片胸を形作ってあり、その中に数種類のしこりを入れて実際に手で触って確認する模型のことです。
当時触った時は、かなり硬い石のようなものががんとして設定されていました。
シリコンマットの中に梅干しの種を置いた状態のものを上から触ってる感じです。
模型を触った時、「がんってこんなに硬いんだな」と思いました。
良性のしこりも再現されていましたがどんな感触か忘れてしまいましたが、消しゴムをシリコンでおおったものを上から触った感触でした。
「がんの場合は手で触れても動きません」と当時の壁に貼ってあった説明表には書かれていました。
実際の乳がんの触った感じは少し違っていた
月日が流れて自分の胸にがんができてきました(と言ってもまだこの時は本人は気がついてない時のことです)。いつものように自己触診していましたが、右胸にあった小さなしこりは模型のがんとはちがいました。
小さかったからかもしれませんが、仁丹の大きさのやや固めの粒の周りに水風船で薄く包まれたような感触のしこりでした。モデルのシリコンよりも柔らかい感じでした。
私の場合のガンは硬く感じませんでした。しかも手で触ると少し動いている感じもありました。
結局のところ、他のしこりと違いはそれほどありませんでした。
左にもしこりはあったのですが、特別どっちがどうとかいう区別がつけられない状態でした。
(乳がん判明時、左のしこりは良性のしこりだとわかりました。)
模型で触ったあの癌細胞のモデルと感触は全然違うから大丈夫〜!
私はずっとそう思って安心していました。
しかし、小さな仁丹の大きさの水風船で包まれたようなしこりが二つに増えていくことで、ようやく疑いを持つようになりました。
・・・・がんかなぁ
なのであの乳がん触診モデルのがんと私のがんはちがうんだと診断を受けた時に実感しました。
もし、がん細胞が二つになっていなければおそらく「模型と違うから大丈夫〜」と安心して放っておいたと思います。
病院での先生による乳がん告知のときです。
8mmを二つ、よく見つけられましたね〜!
と褒めてくださったんですが複雑な気持ちでした。
でも今は早く見つけられて良かったと思えるようになりました。
非浸潤がんと浸潤がん
私の右胸には浸潤がんの他にも非浸潤がんという、がんが乳管や小葉内にとどまっている状態のものも同時に見つかりました。
幸い転移する恐れのないがんだそうですが、私の場合はマンモグラフィ検査と超音波検査でも判明せず術後に初めてもう一つのがんがあった事がわかりました。
浸潤がんの上に皮膚にそって直径3cmの非浸潤がんが平行に広がっていたそうです。
その事実を聞いた時、私はびっくりしました。
え?
ちょうど3cmより少し大きく切っていたので大丈夫。二つの浸潤がんは確実に取りました。
病理検査の結果を見ると非浸潤がんは断端陽性を疑うわけでもないけど、微細ながんをとり切れてない可能性も0ではないから放射線治療の回数を増やして当てましょう!
そして今後も良く見ていきましょう〜万が一残っていた断片が大きくなってきても全摘すれば最初に全摘した時と変わらない生存率です。大丈夫ですよ!
先生は丁寧に説明してくれました。
万が一取り残した非浸潤癌が浸潤癌になる事は必ずしもないそうですが念のために放射線は30回照射という事でした。
でも同じ場所に2種類の乳がんがあったことにとてもびっくりしたのを覚えています。
こちらに私の乳がんを宣告された時のことなど載せています。