私は癌にならないから大丈夫と思い込んでいたが突然の乳がん宣告を受けてショックを受けた体験です
自分が乳がんと診断されるまでは癌というものを他人事のように全く意識せず生活していました。
15年前の触診検査では異常なしで根拠のない自信もあった
私の母の姉が乳がんからの肺転移で亡くなっているので、いつも自己触診はしていました。
でも心のどこかで、
母は癌になってないし姉も検診受けてて大丈夫だし私も絶対大丈夫!
根拠のない自信があり、またそう思っていました。
息子を産んだ後に市町村の集団乳がん検診を受けましたが、その時は触診のみで「異常なし」という医師の判断でした。
(※父は亡くなる直前に初期の前立腺癌が見つかっていました)
触診のみの検診を35歳の頃に受けていた
現在、乳腺外科で定期的に受けているエコー検査やマンモグラフィ検査からすると、当時の触診のみで診断をだしていた事は意味があったんだろうか?と思います。
診ていただいた医師の方は乳腺外科専門の方ではなく内科医でした。
片手でちょっと触って「はい、大丈夫です」という感じでした。
今の主治医の乳腺外科の先生の触診は両手で胸だけでなく脇や首周りのリンパ周辺も確かめています。もちろん一年に一回のマンモグラフィーとエコー検査も一緒です。
触診のみではみつけられないサイズや種類もありますので一概には言えないかもしれませんが(先生の考察によると、私のサイズの場合10年前の30代頃には既にガンはあったと考えられるそうです)。
市町村の集団乳がん検診もできるだけ乳腺外科医の先生が担当されるのが良いと実感しています。
当時はまだ乳腺外科というのも珍しかったので仕方ないかもしれませんね。
15年後なんとなく乳腺外科に行ってみたら「がんの疑い」の説明を受けた
大丈夫だろうとそのまま15年過ぎそろそろ検診に行こうと思いましたが、「触診のみでなんか不安」とふと思い、自己触診でも右側に極小の粒のような柔らかいしこりを2つ見つけたので初めて乳腺外科に行きました。
この時しこりが一つだったら病院には行ってなかったですね〜、しこりのサイズが小さかったので
2cmのスポンジの層の下にある柔らかい粒を見つけるイメージです。
起床時に仰向けで寝ながら触診する方の手を上にあげて、反対の手で撫でるように確認していた時に見つけました。
目を閉じながらするとわかりやすかったですね〜。
お風呂に入って同じように診る方の手を上にあげて、石鹸の泡をつけて反対の手で触っても「やっぱり小さいのが2つ確かにある」と確信しました。
すごく小さくても「2つ」確認出来たので「しこりが分裂してる?増殖してる?」と思い乳腺外科に行く決心がつきました。
血縁関係のがん患者の有無を聞かれたり、マンモグラフィ検査と超音波検査を受けましたが、マンモグラフィ検査で・・・。
乳がんの疑いがありますね〜、でも大丈夫ですよ2cmほどだから
え、がん宣告ってあっさり言われるんだ
まだ大丈夫だと励まされましたが・・・・。
先生は乳がん専門に長年関わっている方です。女医さんもいらっしゃって「がんの疑い」の説明を受けました。
初診では二つの浸潤がんだけだった
初診では2cmと診断されてステージ2Aでした。場所は右胸の右斜め下あたりです。
二つのしこりを一つとしてまとめて計測した状態でステージを決めているようです。
乳がんの宣告を受けたとき、とてもショックだった
雷が落ちたようなショックを受けました。
まさか、自分が?嘘と思いたい
突然のがん宣告で頭が真っ白になり帰宅するのがやっとでした。
帰宅途中、
息子の結婚式まで生きれるかな、私は長生きできるのかな?
しきりにそればかり頭に浮かびましたが私は不思議と涙は出ませんでした。
夫に連絡するとものすごく驚いて心配してくれました。
それから精密検査、手術、放射線治療までが長く感じました。
全摘出をお願いします
部分切除してから再発してもその時また取れば最初から全摘した時と比べても予後の確率は同じで変わりませんよ、部分切除で良いと思います
先生の助言を受けて私は部分切除を選択しました。
円形に切り取る方法を先生は選択し、直径3cmより少し大きいくらいだったと思います。
このサイズのしこりをよく見つけられましたね〜
先生に褒められました。
事前にCT検査を、術中にセンチネルリンパ節生検を受ける
手術前に全身に他のガンがないかCT検査を受けました。
この結果を後日聞きに行くとき、とても緊張しました
後日聞きに行くと異常なしという事で安心しました。
手術中にもセンチネルリンパ節生検という、脇を切開してリンパ節にブドウ糖を含む色のついた溶液を浸して着色したところがあるかどうかを調べる検査も受けていましたが異常なしでした。
胸から脇へがん細胞がたどり着いていると着色するようです。(90%〜95%の精度)
センチネルリンパ節生検の結果を聞く時、乳がんの宣告のときよりも緊張した
手術後入院中にこのセンチネルリンパ節生検の結果、「脇にがん細胞があるのかないのか」を看護士さんから告知してもらうのですが、その時は乳がんの宣告を受けた時よりもずっと緊張しました。
看護士さんが「脇にある場合は、その他の体の部分に見えない小さながん細胞がある可能性も否定できない状態ということです」と教えてもらった時はかなり焦りました。
今でもその時の緊張感を覚えています、不安でこれから先のことまでシュミレーションしていました
結果すぐに教えてね
夫も不安で仕方がなかったようです。
手術後の病理検査の結果、もう一つ直径3cmの乳がんがあることがわかった
2017年5月 乳房温存手術を受ける。
この後研究所に細胞の検査を依頼し、そして病理検査の結果が出ました。
病理検査の結果
- 腫瘍 1.6cm (8mmほどのしこりが二つ。浸潤がん)
- ステージ 1
- リンパ節転移 無し
- 核異型度 グレード1 (1は悪性度が低位、2は中位、3は高位)
- エストロゲンとプロゲステロン 陽性(ルミナールA)
- HER2 陰性
上記の病理検査の結果の内容は初診で見つかった二つの浸潤がんのものです。
これとは別に、その二つの同じ右胸表面上に直径3cmの非浸潤がんもあることがわかりました。
この非浸潤がんは実際に手術して病理検査に出してから存在がわかったガンで、マンモグラフィー検査やエコーでは判明しなかったものです。
乳がんが2種類も、しかも同じ場所に重なって1つ直径3cmの大きなガンが見つかったのは大変ショックでした。
検査の結果、私の乳がんは女性ホルモンに影響を受けやすいルミナールAタイプということがわかりました。
5年間ホルモン療法で抗女性ホルモン剤を服用していた
薬はノルバデックス (途中からタモキシフェンに変わりましたが中身は同じノルバデックス です)。
乳がんと言われてから5年目で無事タモキシフェンを飲み終わりました。
宣告されてから1年目はその事ばかりで悩みましたが、年数が経つと慣れてくるもので生活していく上で乳がんを気にする時間はほとんど無くなりました。
心配すればいくらでも心配できる事はたくさん出てきますが、キリがないので考えないようにしています。
そのことより自分が今出来る事を実践していこうと思って毎日暮らしています。