幼稚園〜小学低学年まで、いじめられやすかった息子
幼稚園から小学低学年頃まで、息子は周囲の子どもたちとうまく馴染めず、いじめられることがありました。
当時は親としても心配していましたが、振り返ってみると、息子にとって大きな転機になったのは「自分の得意なことを見つけたこと」だったように思います。

子どもの周囲の環境や、人生が変わっていくきっかけの一例として読んでいただけたらと思います。
いつもニコニコしていた、のんびりした子
息子は幼い頃、動作も話すこともゆっくりした子でした。
いつもニコニコしていて、穏やかで可愛らしい雰囲気がありましたが、その一方で、周囲の子どもたちより行動が遅いことも多かったと思います。
幼稚園に入園してからは、友達から冗談半分のちょっかいを受けることがありました。
相手にはそれほど悪気がなかったのかもしれません。でも、息子本人にとっては楽しいことではなかったようです。
小学校に入っても、状況は変わらなかった
小学校一年生になっても、息子は相変わらずゆっくりしたペースで過ごしていました。
鬼ごっこをすると、足が遅かったため、いつも鬼になってしまうこともあったそうです。
次第に校庭で遊ぶことを嫌がるようになり、学校から帰ってくると、嫌なことがあったと話すことも増えていきました。

今日、つらいことがあった。
友達との間で嫌がらせを受けることもあり、先生に相談して学校でも対応していただきました。親としては心配でしたが、夫は息子のこれからのことを考え、こんな話をしていました。
Son、 Sonはかけっこも遅いししゃべるのもゆっくりだから、学校で大変かもしれないね。でも、「これだけは誰にも負けない!」というものを見つけたらいいんじゃないかな?
Sonはものを覚えるのが得意でしょ?それなら勉強で頑張ってみたらどう?
すると息子はこういいました。

勉強で頑張ってみる!
得意なことを見つけたことで、すこしずつ変わっていった
勉強にじっくり取り組むようになる
それが直接のきっかけだったのかは、今となっては分かりません。
ただ、その頃から息子は、自分から勉強にじっくり取り組むようになっていきました。
そして小学4年生頃から、少しずつ周囲の反応も変わっていきました。小学5年生頃には、「Sonは賢い」と周囲から言われるようになり、勉強が得意な子どもたちと成績を競うことも増えていきました。
分からない問題があると息子に聞きに来る友達も増え、いつの間にかクラスの中で勉強を教えてもらう存在になっていました。
それとともに、以前のように息子がからかわれたり、嫌がらせをされたりすることも少なくなっていきました。
「自分にも得意なことがある」という感覚
今振り返ると、勉強そのものだけではなく、「自分にも得意なことがある」と思えるようになったことが大きかったのかもしれません。
幼い頃は運動も苦手で、話すのもゆっくり。周囲の子どもたちと比べて「できない」と感じる場面も多かったと思います。
そんな息子が、自分の得意なことに気づき、それを一生懸命伸ばしていった。そのことが少しずつ自信につながっていったように思います。
周囲からの見られ方も変わっていった
中学に入学する頃には、すでに周囲から「頭の良い子」という認識になっていて、幼い頃とは人間関係も大きく変わっていました。
中学を卒業する頃には廊下で会うと、「あ、灘高や!」と言われることもあったようです。
成長とともに変わっていった息子
「エール」を見て、幼い頃の息子を思い出した
私はNHKの連続テレビ小説「エール」をたまたま見ていて、主人公の幼い頃の様子が息子と重なって見えたことがあります。
運動が苦手で、かけっこはいつも最後。いつもニコニコしていて、話すスピードもゆっくり。
「昔の息子にそっくりだなぁ」と思いながら、懐かしい気持ちで見ていました。
今では、幼い頃の面影があまり感じられないほど変わりました。成長するにつれて話すスピードも速くなり、行動もずいぶん積極的になりました。
幼い頃動作がのんびりとしていて話すのもゆっくりな可愛らしい息子でしたが、公立中学、灘高校、そして駿台予備校へと進学するにつれて様変わりしました。
小学校高学年頃から話すスピードがUP
特に話すスピードは、小学校高学年頃から急に速くなりました。気になって本人に聞いてみると、

不利にならないように早く話すことを覚えた
と言っていました。
子どもなりに周囲を観察しながら、自分がどうすれば過ごしやすくなるのかを考えていたのかもしれません。
灘高校でさらに行動的になった
その後、公立中学、灘高校へと進むにつれて、息子はさらに行動的になっていきました。
灘高校では男子校ならではの自由な雰囲気の中で学校生活を楽しみ、鉄道研究部にも入りました。
夏には部員と一緒に東北へ鉄道旅行に行くなど、自分で計画して行動する楽しさも覚えていったようです。
幼い頃の優しくおとなしい雰囲気からは想像できないほど、活動的になりました。
また、中学時代は体育の授業が苦手で、腕立て伏せや10分間走などを嫌がっていたのですが、高校で筋トレの授業を受けたことをきっかけに、今では筋トレを楽しむようになりました。
「運動が苦手な子」だった息子も、いつの間にか変わっていきました。
浪人を経験して、少しずつ自分を客観視するようになった
大学受験では一浪も経験しました。駿台予備学校で過ごした一年間は、息子にとって自分自身を見つめ直す時間にもなったようです。
高校時代にはまだあった「自分はできる」という気持ちも少しずつ落ち着き、以前より自分を客観的に見るようになっていきました。
そして、東大に進学してからも、さらにいろいろな人と出会いながら成長しているように感じます。
成長しても変わらなかった、先生を尊敬する気持ち
そんな息子ですが、幼い頃から変わらないものもあります。
それは、先生方を尊敬する気持ちです。
高校受験の塾でも、灘高校でも、予備校でも、印象に残った先生の話をよくしていました。
「すごい先生やから」と、授業の内容だけでなく、先生方の個性や考え方についても楽しそうに話していました。
今でもその気持ちは変わらないようです。
得意なことが、人生のきっかけになることもある
幼い頃の息子は、運動が苦手で、話すのもゆっくり。周囲の子どもたちと比べると、できないこともたくさんありました。
でも、そんな息子にも「得意なこと」がありました。
それを見つけて、本人がそこにじっくり取り組んだことで、少しずつ周囲からの見られ方も、自分自身の気持ちも変わっていったのだと思います。
もちろん、すべての子どもに同じことが当てはまるわけではないですし、いじめの問題も、勉強だけですべて解決するものではないと思います。
ただ、子ども自身が「自分にはこれがある」と思えるものを見つけることが、人生の大きな支えになることはあるのではないでしょうか。
幼い頃の息子を思い出すと、今の姿からは想像できないことばかりです。
これからも自分の好きな学問に出会い、興味のあることをじっくり究めながら、自分らしく成長していってくれたらと思っています。