20代、バブル崩壊前のバブル後期を過ごした私です
20代の頃、景気が大変良かった時代で高級ブランドのバッグを持っている人を老若男女問わずよく見かけました。
エルメスの有名なケリーバッグの価格は幅28cmが51万円していました。
いつか欲しいなぁ
数年お金を貯めて購入の予約をしました。
当時バッグの予約は5年待ちだった
母が予約してくれたのですが、ケリーもバーキンも当時は5年待ちで手に入りました。
そのころはエルメス特集の記事を組んだ雑誌もよく販売されていて、私は今もその雑誌を持っていますが、記事をみてみるとバーキン35cmは価格が型押しが65万円、ヌメ革が60万円、ボリード31は価格が42万円でした。
この時の一番人気はやはりバーキンで、次がケリー、ボリードだったと思います。
私はボックスカーフで外縫いの黒いケリーバッグを注文し、5年半後にエルメスから電話連絡が来て再度母が受け取りに行ってくれました。
自宅で初エルメスのケリーバッグとご対面。
オレンジの箱を開けて、立派な袋の中から憧れのケリーバッグを見つけたときは大変嬉しかったです〜。
使わないまま味噌のように寝かし続け20年が過ぎる
嬉しくて買ったのは良かったのですが、いざ目の前で実物と対面すると気品ある雰囲気に圧倒され、20代後半だった私はほとんど外に持ち出せませんでした。
個人的に内縫いタイプは柔らかいカジュアル感、こちらの外縫いタイプはキリッとしていてフォーマル感が増す感じがします。
「40歳になる頃には気にせず持てる」と希望を持ち、自宅で寝かせる日々。
気がつくとその40歳も過ぎましたが、まだ緊張して持てません。
そうこうしているうちに息子の中学校卒業式がやってきました。
使おうと一代決心して卒業式に使いました。
ところが、何年も寝かせ過ぎたせいでしょうか、一度使っただけで何かの拍子で表面が擦れたのか、色がはげていました。
年季が来ていたせいでしょう、メンテナンスもしないままそのままにしておいたせいで表面が乾燥し過ぎて色が取れてしまいがっかり。
数年間メンテナンスできるお店を探していた
修理や色の補修をしてくれるお店を探していましたが、何となくケリーを出す勇気が出ません。
エルメスショップで直接持ち込むとしてくれるとは聞いていましたが、出向くのは控えていました。
「やめとこう」とまたバッグを味噌のように寝かせる日々が続きました。
最近検索して、エルメス公式のリペアショップがオープンしていたのを発見。
やっと修理が頼める〜
ネットのエルメス公式HPの下段にある「サービス」カテゴリ内にある「メンテナンスと修理」に入り、予約をしてエルメス公式のアフターセールスカウンターへケリーを持って行くことになりました(ドゴンの財布も一緒に)。
大阪ヒルトンプラザ2階(イースト)のエルメス アフターセールスカウンターへ
ウエスト側に着いた私たちですがちょっと手間どい、やっとイースト側だとわかったヒルトンプラザの2階へ。レビューを見ると他の方もイーストという場所が分かりづらい方も少なくないようです。
1階はエルメスショップがあり、休日でしたがたくさんのお客さんが入り口で並んで待っていました。
「今も若い人に人気あるんだね〜」と言いながら2階のアフターセールスカウンターへ。
エルメスカラーのオレンジがかったブラウンとグレーの配色で落ち着いた雰囲気のお店です。
入り口のすぐ目の前に机と椅子があり、店内も統一されたカラーでとても素敵な空間。
椅子の横でエルメスの製品をじっくりと伝える動画を見ることができ、「素敵だなあ〜」と日常を忘れてしまいそうです。
ケリーバッグとドゴンをじっくりみてもらう
担当の方はケリーを見て「大変貴重なボックスカーフのケリーですね〜!」と説明されました。
貴重なんですか?(確かエルメスではボックス素材のケリーはもう作製されてないと噂に聞いてたけど)
「ピラミッドに例えると、ボックス素材は牛革の中でも頂点の位置にある素材なんですね。今ですとボックスカーフのケリー28センチのこちらのタイプは120万円(端数は忘れました)しています」と店員さんは話していました。
えっそうなんですか(さらに寝かしてしまいそう)
横で聞いていた夫も120万円という数字にびっくり。
現在、エルメスは価格が高騰しているということは知っていましたが、実際の価格を聞くと本当だったんだと驚きました。
そのほか交換できる部分の金額等、次々説明を詳しく聞きました。
金属部分も交換できるようです。
(一例:ケリーの場合)
取っ手、取っ手の付け根、付け根と取っ手をつなげている金属、そしてケリーの上蓋についている中央の金属部分(画像左端中央)が1セットとしてまるまる交換するプランもあります。
金額は上記セットで12万円台でした(金額等詳しくはお店でお願いします)。
取っ手だけだと5万円台で交換できるそうです(2022年度の価格)。
出来ないと思われた金属部分も交換出来ると聞いて、取っ手の付け根が傷んでたら交換してもらいたいなと嬉しくなりましたが、店員さんからの提案で「1回クリーニングだけ出して状態を見てから修理等考えてみられても良いかと思います、戻ってきて意外に良くて『このままでも良い』と言われるお客様もいらっしゃいますので」と説明を受けました。
クリーニングに関しては元の完璧な状態には戻せない(見積書にも「出来る限りのクリーニング」と書かれています)こと、取っ手はクリームをつけるとベタベタとするので職人さんはつけない主義ですと説明を受けました。
「取っ手の状態が気になる場合、交換せずにツイリーを取っ手につけてカバーする方法もおすすめです」と素敵なアドバイスを教えてもらいました。
街中でも最近、取っ手にスカーフを巻き付けている人をよく見かけるようになりました。
私もしてみようかな
私のケリーは取っ手の付け根の金具が旧型ですが、交換希望の際は新型の金具になるそうです。
店員さんの説明によると旧型はストラップの金具をつけるときちょっと狭くてつけづらいとよく言われたので、つけやすい斜め上に向いた金具のタイプに変わったらしいです。
「ドゴンも珍しいバイカラーですね〜」と店員さん。
「ステッチがほつれていますね、端もすれてはがれてきているので再度コバも修理してもらいましょう」とステッチとコバの補修を含んだ金額を見積もり書に書いてくれました。
そしてドゴンの金具に差し込む牛革の部分。
この部分は頻繁に差し込みが起こる部分なので痛みやすいところ。
職人さんの目利きで「変えた方が今後の為に良い」と判断されたら金額を自動追加で革を交換、修理してもらうようにしました。(後日申し込みでも可能)
「数年前まで、メンテナンス専門店で修理してもらおうと思ってたんです」というと、「他店でクリーニングされた後、こちらに持ってこられたりするケースもありますが、職人さんは自分でしてない部分はすぐわかるので、状態を見て場合によってはお断りさせていただくこともございます。他店で違う材料を使われて塗られたあと、こちらでその上から塗ると反応が変わってしまったりすることもあるかもしれませんので」と説明を受けました。
ケリーバッグとドゴンの見積もり価格
ケリーバッグは、
クリーニング(バッグ/クラシック・レザー) 27,500円
付属品(ショルダー、キー)も一緒に預けました。
引き渡しはおよそ2〜3週間後。
ドゴンの財布は、
クリーニング(財布/アジャンダ/クラシック・レザー) 9,000円
全周ステッチ直し(財布/アジャンダ[財布ケリー以外]/全素材) 35,200円
(↓職人判断により交換が必要の際は、進行了承済みにしました)
ドゴンの財布のベルト交換 16,500円
引き渡しはおよそ6週目くらいでした。(ステッチ直しは修理依頼が重なってくると日数がかかるそうです)
受け取りに行く時もHPで予約
後日、完成したらメール連絡(電話連絡でも可能)で完成のお知らせがきます。
メール連絡が来たら、HPでもう一度「来店予約はこちら」の文字をクリックして再度予約します。
ご予約情報の中の「新規/受け取り」で「修理上がり品の受け取り」を選んで受け取りに行く日と時間を予約します。
今回私の場合はケリーが先に仕上がり、ドゴンがまだ修理完了していない状態でケリー修理完了のメール連絡が先に来ましたが二回続けて出向いて取りに行くのは面倒なので、電話で問い合わせてドゴンが修理完了した時にケリーも一緒に受け取れるようにお願いしました。
どんな感じでバッグと財布が仕上がるのか楽しみです。