予備校に通う浪人生の親が体験した事を次世代の親へ伝えておきたい、心がけや子供への対応
お子さんの大学不合格が決まり、一年間これから予備校に通うとわかったら親の皆さんは不安になる方もいるでしょう。
子供を予備校に1年間通わせて、本当に志望大学に合格できるのかとご家族の方は心配な気持ちでいっぱいだと思います。
私も息子の浪人が決まった瞬間は、暗いトンネルの中に自分が入ってしまったような感覚を味わいました。
浪人生の子供を持つ親の私が心がけていたこと
いつまでも親が落ち込んでいても辛いだけなので、私は次のことを心がけていました。
以下に自分が心がけていた事を詳しく解説していきます。
子供が自分で予備校を決めた
本人が自分の意思で通うと決めた予備校なので、自分で決めさせたことで大学受験の決意も子供が大きく持てたことがよかった事でした。
息子は高校受験の際も自分で塾を選んでいました。
自分の事を自分の意思で決める行為は、自立していく過程でとても大切なプロセスだと私は思います。
駿台予備校の先生を信頼していた子供とその決意に、自分の心もそわせていった
一番辛いのは受験生である浪人生です。
私は子供に過干渉にならないように、「自分の子供が浪人している事」について自分の意識から意図的に遠ざけていました。
息子が「1年間駿台で頑張る」と親に宣言した事と駿台予備校の先生方を信頼していたことで、私も駿台予備校の先生方と子供に対して信頼をおいていました。
予備校、そして子供に全てを任せる気持ちでいるように心がけていたので、各予備校の全国模試を子供が受けてきて結果を聞き判定が少しゆらいでも受け流せる気持ちになっていきました。
進学希望の大学はあくまでも「志望大学」、他大学に進学する想定も心の中でそっと決めておく
1年間受験勉強に一生懸命集中することで、子供はきっと何らかの結論が出せるだろうと「将来の進学先」のことはあえて私からは話題にしませんでした。
本人の東大に対する熱い想いは以前から把握はしていましたが、あくまでも「志望」であって確実ではありません。
私は常に他の大学へ進学するパターンも何校か頭の中でシュミレーションして想定していました。自分の中で何校かイメージしても本人には告げずに黙っていました。
どの大学も素晴らしい大学だからどこでも進学したらいいよ。
夫も息子の進学先にこだわりはありませんでした。
大学に過大な期待を持たないこと。大学は学びの場であり卒業後は本人次第
浪人生は、まだ将来の先の事はわかりません。
たとえ希望の大学に進めても、もしかすると勉強がはかどらず留年や退学といった事もあるかもしれません。
有名大学に入れたから安泰というわけではないので、大学に過大な期待を持たない事です。
企業には各カラーがあるので一概には言えませんが、夫の会社には様々な学歴の社員がいます。大学世界ランキング1位の海外大学院を卒業した方もいれば、専門学校卒の方もいます。
義兄は地方国立大学卒である上場企業に勤めていますが、現在役員で将来は社長候補者に選出予定されています。
このように学校名だけで判断されない事も世の中にはあります。
冷静な気持ちで大学は学ぶ場であると捉えると、たとえ志望の大学に進めなくても将来の選択肢は沢山増やせる事に気がつき、大学についてこだわる気持ちは次第に減っていきます。
受験そのものを全体的に捉えるように気持ちを切り替える
子供の受験となると、つい自分の子供だけに一極集中してあれこれ手を差し伸べたり、心配して先回りしてしまいたくなるのはよくわかります。
でも、子供の人生は自分で切り開いていくものです。
「子供は子供、自分は自分」と私は常に考えていました。
元来、私は家族と自分を離して考えるところがあったので子供が浪人しても「勉強はほどほどできたらいいし、大学もどこか決まれば充分」と思っていました。
自分の一生を考えさせる病気になった事で自分を大切にしていきたいという気持ちが増し、自然と自分から離して全体を把握するように意識が変わっていったのも理由の一つにあります。
模試の結果は上下に変動して当たり前
予備校生となると、各予備校の全国模試を受ける機会が増えます。
予備校それぞれの出題傾向も違いますので、結果も多少変わる事も多いです。それが普通なので、例えばBからCなど評価が下がってもあまりその事には触れず、間違えた箇所の具体的な見直しに集中するのが良いと思います。
本試験も予備校の問題とは全く違うので結果も違う事ももちろんあります。
息子も現役時代、A判定は出していましたが不合格でしたし、逆にD判定でも理3に合格した予備校生もいます。
難関大学受験になってくると「その年に合格した学生が来年再度受験してもごっそり入れ替わる層はある」と言われたりもするので、あまり模試の結果に一喜一憂しないように心がけておくのをお勧めします。
受験期の子供への親の対応
子供が安心して勉強に集中できる環境を親が整えてあげることは大切だと思いますが、やりすぎると親も子供もストレスになってしまいます。
ですのであまり、意識しない程度にそっと対応するのが良いと思います。
一般的には次の通りがよく心がけとしてあげられています。
上記の項目で、私が特に子供の受験期を体験して思った事を以下にまとめました。
生活習慣の支援
規則正しい生活を送れるように、食事と睡眠には気をつけていました。栄養と睡眠は脳の集中力を高めるためにも大切です。
勉強の環境を整えてあげる
勉強部屋の環境については、息子から直接「こうして欲しい」と言う要求がありました。
スマホやTVなどはもちろん勉強部屋にはありませんし、勉強に集中できるように子供が自ら静かで落ち着いた環境を整えていきました。
リラックスできる時間を作る
勉強ばかりの一日だとそのうち燃え尽きてしまいかねません。
ちょっとした運動や趣味など、程よい休憩時間を設けることで気分転換になり、勉強への取り組み方もメリハリがついて効率が上がります。
親子のコミュニケーションを大切にする
親子間の会話は普段からよくしていました。
子供からなんとなく話してくる内容に不安や悩みが含まれていたりします。そういうところを親が汲み取って時にアドバイスをしてあげると、子供の心の安心感が増して勉強に取り組む気持ちも安定していきます。
注意すべきことは親から先回りして、不安や悩みを聞き出さない事です。
あくまでも子供から「こうなんだけど」と相談してきた際に、親がアドバイスをするのが適切です。
結果に執着しないように心がける
親は、子供が受験を経験して成長する過程に注目するように心がけると良いと思います。
合否の結果が出たその後も、子供本人が自身の努力を振り返り、次のステップに進むためのサポートを続ける事に意識を向ける事が大切です。
大学受験はあくまでも人生において通過点に過ぎません。
子の人生はまだまだ長く続くので、その先の成長を見届けてあげる事が親として大切じゃないかなと思っています。
ちなみに我が家の場合ですが、息子は大学院に進む予定です。
正直、院に進まず就職してほしいと思っていますが子供の人生なのでその事には触れず、私は黙って今後の進路も静観しています。
我が家では現役時と同じように日々対応していた
基本的には高校時代と同じく普段通りに接していました。
我が家では子供がアレルギーなどあったので、体調管理だけは注意して対応していました。
次の注意点は子供からの要望で気をつけていました。
受験期の子供への対応は会話の中で「落ちた」、「すべった」という言葉を使わないように気をつけた
息子からは「落ちた、すべったは言わないで」と言われました。
私が「階段で落ちそうになってね」と言うと、「あ〜!」と息子が言うので「ごめん、こけそうになって」と言い直していました。