夫に勧められて精神科で診断を受けた
一度診てもらったら?行ってみてもらったほうがいいよ、ついていってあげるから
そう言われて私は夫と一緒に精神科を受診しました。
先生にメモを渡して読んでもらい、次に問診と家族歴を聞かれた
夫も同伴して診察室へ入りました。
私は中学生の時からずっと悩んでいた症状があり、ある国立大学付属病院や個人経営の病院(精神科)も数件まわって診断を受けたり投薬治療は受けていましたが「うつ病」や「あなたは病気ではない」と言われてそのまま10年以上経過し、次第に通院もしなくなってそのままにしていました(当時は発達障害という言葉は全く認知されていませんでした)。
私は人と接する時は緊張してしまい言いたいことが言えなくなるので、あらかじめ先生に伝えたいことをメモ書きしたものを先生に渡して読んでもらいました。
メモ書きした内容と、問診、家族歴を聞いた後先生は話してくれました。
悩んでおられる症状はアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)でもみられるものです、心配しなくて大丈夫ですよ、検査もして調べていきましょう
ありがとうございます
3種類の検査を受けてから先生の診断が出た
検査の種類は3種類で、WAIS-Ⅲ、AQ(自閉スペクトラム指数)、CAADIDです。
私に出た数値を載せておきます。
WAIS-Ⅲ
WAIS-Ⅲ項目 | 数値 |
---|---|
言語性IQ | 93 |
動作性IQ | 122 |
全検査IQ | 106 |
言語理解 | 95 |
知覚統合 | 119 |
作業記憶 | 98 |
処理速度 | 113 |
AQ
AQ各項目 | 指数 |
---|---|
自閉スペクトラム症指数 | 38 |
社会的スキル | 9 |
注意の切り替え | 7 |
細部への注意 | 4 |
コミュニケーション | 10 |
想像力 | 8 |
CAADID
症状 | 成人 | 小児 |
---|---|---|
不注意症状 | 9 | 5 |
多動衝動症状 | 3 | 0 |
そして先生の診断がおりました。
診断名は神経発達症
検査と問診、病歴 、家族歴などを総合すると自閉スペクトラム症が主にあり、ADHDも一部あると診断します
診断書には神経発達症と書かれていました。
診断書の内容
自閉スペクトラム症、ADHD(注意欠陥多動症)と診断します。
相手にうまく説明をすることは苦手でありますが、視覚情報から周囲の状況を認識することは得意です。
また耳で聞いたことは忘れやすい傾向もあり同時に作業したり忙しい作業をすることは得意ではありません。
自分のペースでできる作業を最後まできちんとすることは得意であり、また図や絵などの情報はすぐに気がつけることが得意です。
起こっている出来事に対して決めつけることはなく相談することが望ましいと考えられます。
この診断を終えた後、しばらく投薬治療と先生のアドバイスで心理療法士さんによるカウンセリングも受けていました。
カウンセリングの効果が自分の場合は大きかった
薬で自分の症状を抑えつつ、カウンセリングを定期的に受けて心理療法士さんに話を聞いてもらい考えの癖を直すように指導していただきました。
それと並行して外にでて子供の学校の仕事(地区委員や子供会の仕事)から慣らしていき、最終的にパートにでる事を自分に課して周囲の環境に自分を慣れさせることを数年間していました。
私の場合、人と接することが苦手だったり声に過敏な状態だった(耳が聞こえすぎる)ので、途中辛かったり家から出たくなくなったりしかけましたが、心理療法士さんに自分の悩みを打ち明けることを続けた事で世の中の一般的な感覚、考え方を教えてもらったことが一番効果が大きかったと感じています。
そして一番辛かった中学生時代から続いていた症状も少しずつフェードアウトしていき、現在でも完全には症状はなくなっていませんがほとんど出なくなっています。
そのことが原因で中学生から成人して社会人になっても自分の人生の活躍の幅が狭まってしまったことはもう修正はできませんが、今を普通に過ごせていることが本当に嬉しいです。
35年間どの医療機関でも診断が出なかった私をしっかりと診てくださり、改善もしてくださった先生に感謝している
私は長年辛かった症状が実は発達障害からくるものなのかもしれないと認識できたことで、急に胸のつかえが取れて安堵感で気持ちがいっぱいになりました。
この日が来るまで実に35年もの年月がかかりました。
やっと自分の症状をわかってくださる先生に出会えたことが大変嬉しかったです(先生は近年他界されました)。
そして私のことをずっと心配していた両親に本当の原因はなんだったのかを教えたかったですね。
まだ周囲の音には敏感だったり、苦手な部分は治っていませんが、夫のサポートもあり時々アドバイスを受けながら薬は飲まずに通常の生活を送っています。
生活する上で支障をきたしているなら医療機関へまずかかってみることをお勧めします
有名人で「僕も発達障害だったと思うけど、別に困ってなかったし大学もすんなり入ったから」と公言されてる方もいますし、発達障害は個人によって程度も全然違うものです。
私の場合は上記の方とは全く違っていて、日常生活に支障が出る状態の症状が35年間続きました。
このような場合はなるべく早くに医療機関へまず相談されることをお勧めします。
35年前は「発達障害」という言葉すらなかった時代で、その時代を生きてきた私はかなり多くの有意義な時間を失ってしまいました。
私のようにならないためにも、お子さんで何か少しでも不安になることなどあれば躊躇せずに心療内科や精神科へすぐ連れて行ってあげて欲しいなと、今やっと普通の生活を送れるようになった私はそう願っています。